
ペトラ
Petra
紀元前後にナバテア人が薔薇色の砂岩の岩壁を彫り込んで築いた古代都市。狭い峡谷「シーク」を抜けた先に現れる神殿ファサード「エルカズネ(宝物殿)」の光景は圧巻で、映画『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』のロケ地としても知られる。1985年にユネスコ世界遺産に登録された。
ひと目でわかる、このスポットの性格
岩窟都市の圧倒的スケールは一生に一度見る価値あり。ワディラム・死海・アンマンと組み合わせた7日間周遊が最適で、旅慣れた中級者以上に特に推奨
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル2:不要不急の渡航はやめてください
出典: 外務省 海外安全ホームページ「ヨルダンの危険情報【一部地域の危険レベル引下げ】」https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2026T073.html(2026年6月発表) / 取得日: 2026-07-12(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
ペトラが所在するマアン県はレベル2(不要不急の渡航は止めてください)。2026年6月発表の最新情報(外務省2026T073)では、それ以前に高いレベルが続いていたマフラク県・ザルカ県がレベル2に引き下げられ、現在はヨルダン全土がレベル2に統一されている。シリア・イラク国境付近(北東部)では過去に武装勢力によるドローン攻撃事例があり引き続き注意が必要。また、ペトラ観光地内では外国人旅行者と現地ガイド・商店員との間のトラブル事例が報告されているため要注意。渡航前に外務省公式サイトで最新情報を確認のこと。
7日間の旅の組み立て
ペトラだけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
ワディムサ(Wadi Musa)
ペトラ遺跡の玄関口で遺跡入口まで徒歩圏。宿泊・飲食施設が充実。アンマンへは車・バスで約3〜3.5時間
モデルプラン(7日間)
1〜2日目:アンマン到着・市内観光(シタデル・ローマ劇場)およびジェラシュ遺跡への日帰りも可。3〜4日目:バスまたはレンタカーでワディムサへ移動し2日間ペトラを徹底探索(エルカズネ・王家の墓・ファルアサフトップ・ペトラバイナイト等)。5日目:ワディ・ラムへ移動してジープツアーと砂漠キャンプ泊。6日目:アカバ経由で死海へ(浮遊体験)。7日目:アンマンへ戻り帰路。7日間でヨルダンの主要遺産をすべて網羅できる定番周遊ルート。
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 3月・4月・5月・9月・10月・11月(3〜5月と9〜11月は気温が穏やかで長時間の徒歩観光がしやすい。7〜8月は日中40℃近くまで気温が上がり炎天下での峡谷・階段歩きが厳しくなる。12〜2月は朝晩冷え込み、まれに降雨や高地での降雪もある。)
持ち物チェックリスト
グリップの効いたトレッキングシューズ
シークや修道院への道は未舗装・段差が多く、手すりのない急な階段区間もある
帽子・サングラス・日焼け止め
砂漠性気候で日差しが強く、峡谷を抜けた先の遺跡エリアには日陰がほとんどない
水分を多めに(1〜2L以上)
敷地が広大で徒歩移動が長時間に及ぶため、脱水・熱中症対策が必須
羽織れる防寒着
冬季は朝晩の気温が氷点下近くまで下がり、高地では雪が降ることもある
肩・膝が隠れる服装
イスラム文化圏のため肌の露出を控えた服装が望ましく、遺跡内の砂ぼこりよけにもなる
現金(JOD)
遺跡内はATMがなくカード決済できる店も限られるため、飲食・ラクダ/ロバ利用などは現金が基本
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
07:00
ペトラ入場・シークへ
開場直後の涼しい時間帯に入場。約1.2kmの狭い峡谷「シーク」を徒歩30〜45分かけて抜ける。
- 2
08:00
エルカズネ(宝物殿)
シークの先に突然現れる高さ約40mの神殿ファサード。早朝は逆光になりにくく人も少なめで写真撮影に最適。
- 3
09:00
ファサード通り〜円形劇場
岩壁に彫られた墓所群が並ぶ「ファサード通り」を進み、ナバテア時代の円形劇場を見学。
- 4
10:30
王家の墓(ロイヤル・トゥームズ)
断崖に並ぶ大型の墓所群。内部装飾の彩色岩肌も見どころ。
- 5
12:00
遺跡内でランチ休憩
遺跡中心部のベイスンにあるレストラン・売店で休憩。日陰を確保して体力を回復させる。
- 6
13:30
修道院(アド・ディル)へ
約800段の階段を徒歩1〜3時間かけて登る(ロバ・ラバでのアクセスも可)。ペトラ最大級のファサードを持つ修道院からは絶景が広がる。
- 7
16:30
下山・出口へ
日没前に下山し、シークを戻って出口へ。夕方はエルカズネが暖色に染まり再撮影のチャンスもある。
日本からのアクセス
日本から現地まで
日本からヨルダン・アンマンへの直行便はなく、カタール航空(ドーハ経由)やエティハド航空(アブダビ経由)など中東系航空会社での乗り継ぎが一般的。総移動時間はトランジット待ちを含め概ね15〜20時間程度が目安(※季節・就航路線により変動するため予約時に要確認)。
現地での行き方
クイーン・アリア国際空港(AMM)からペトラ/ワディムーサまではタクシーで約2時間30分、目安85JOD前後(約1万9,000円)。長距離バス(JETT社)を使う場合は空港連絡バスでアンマン市内アブダリ・バスターミナルへ移動後、ペトラ直行便(早朝6:30発が目安)に乗り換え。所要約3.5〜4時間、片道目安10JOD(約2,300円)。
入場料の目安
50 JOD(目安 約11,400円) / 事前予約不要
ペトラの通常入場料は1日券50JOD・2日券55JOD・3日券60JODが目安(外国人・ヨルダン宿泊者向け料金)。ヨルダンに宿泊せず日帰りで入場する場合は90JODと割高になる。窓口購入も可能なため予約は必須ではない。ただし『Jordan Pass(ヨルダンパス)』というお得な制度があり、事前にオンライン購入(Wanderer 70JOD=ペトラ1日/Explorer 75JOD=ペトラ2日連続/Expert 80JOD=ペトラ3日連続、他40以上の観光地入場込み)した上でヨルダンに最低2泊(3日間)以上滞在すると入国ビザ手数料(40JOD)が免除され、結果的にペトラ入場料も実質的にお得になる仕組み。Jordan Passはヨルダン入国前に公式サイトでの事前購入が必須(現地窓口では購入不可)。料金・条件は改定される可能性が高いため、渡航前に公式サイトで最新情報を必ず確認すること。
最終確認日: 2026-07-09
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
JETT社 長距離バス(アンマン⇔ペトラ)
JETT公式サイトまたはアンマン・アブダリ・バスターミナルの窓口でチケットを購入。アブダリ発は早朝6:30頃の便が目安で、指定席制のため乗車前にチケットの座席番号を確認する。ペトラ側の乗降場所はビジターセンター近く。
運賃目安: 片道 目安10JOD程度(約2,300円)
便数が少なく1日1〜2便程度のため事前に時刻表を確認し、繁忙期は早めの予約が望ましい(jett.com.jo)
空港連絡バス(Sariyah Airport Express等)+市内バス乗り継ぎ
クイーン・アリア国際空港の到着ロビー出口から空港連絡バスに乗車し、アンマン市内アブダリ・バスターミナルへ。そこからJETTバスやミニバスにペトラ方面へ乗り継ぐ。乗り換えが発生し所要時間が読みにくいため、荷物が多い場合はタクシー利用の方が確実。
運賃目安: 空港連絡バス 片道 目安3〜5JOD程度(約700〜1,100円)
運行時刻・経路は変更される場合があるため搭乗前に公式情報を確認すること
タクシー
空港到着ロビー外の公式タクシー乗り場、またはワディムーサの町中・ホテル前で客引きしているタクシーを利用するのが一般的。流しのタクシーは地方では少なく、ホテルのフロントに手配を頼むのが確実。長距離移動は事前に定額料金を交渉してから乗車する。
運賃目安: 空港(AMM)→ペトラ/ワディムーサ 目安85JOD前後(約1万9,000円)
メーターがない・使わない車両が多いため、乗車前に必ず料金を確認して合意すること。夜間・長距離は割増になりやすく、複数人で乗り合わせるとコストを抑えられる。
現地での注意事項
徒歩距離が長く炎天下での熱中症リスク
敷地が広大で日陰が少ないため、水分補給と休憩を計画的に。夏場は特に早朝・夕方の涼しい時間帯の行動がおすすめ。
階段・段差は手すりなし区間あり
修道院やハイプレイス・オブ・サクリファイスへの道は未舗装の急な階段が多く、柵のない断崖沿いの箇所もあるため足元に注意。
ラクダ・ロバ・馬の客引きと料金交渉
遺跡内外で乗馬・ラクダ乗車を勧める客引きが多く、乗車後に高額請求されるケースがある。利用前に必ず料金を確認・交渉すること。
服装・宗教的配慮
イスラム文化圏のため肩や膝を露出した服装は避け、特に女性は控えめな服装を心がけると現地でのトラブルを避けやすい。
現金の準備
遺跡内・ワディムーサの町ではカード決済ができない店も多く、少額紙幣を含めた現金を用意しておくと安心。
周辺スポット
ワディラム
ペトラ/ワディムーサから車で約2時間(約105km)
『月の谷』とも呼ばれる赤い砂漠の世界遺産(自然遺産)。ベドウィンキャンプでの宿泊やジープサファリが人気。
行き方: ワディムーサからドアtoドアのミニバス送迎、現地行きミニバス、JETTバス、タクシーなど複数の選択肢がある。
運賃目安: ドアtoドア送迎ミニバス 目安10JOD程度、現地ミニバス目安7〜10JOD、JETTバス目安15JOD、タクシー(4人乗り)目安35〜40JOD程度(いずれも約1,600〜9,100円)
アカバ
ペトラから車で約2時間(約128km)
紅海に面したリゾートタウン。シュノーケリングやダイビングが楽しめ、エジプト・イスラエル方面への玄関口でもある。
行き方: JETTバスで約3時間、またはタクシーでの移動が一般的。
運賃目安: JETTバス片道 目安15JOD程度(約3,400円)、タクシーは片道目安50〜60JOD程度(約1万1,400〜1万3,700円)
死海
ペトラから車で約3時間(約188km)
海抜マイナス430mの塩湖。塩分濃度が非常に高く体が浮くことで有名で、泥パックも人気。
行き方: 路線バスの便数は少なく実用的でないため、タクシーまたは現地発の日帰りツアー利用が一般的。
運賃目安: タクシー・ツアー利用が目安(金額は手配方法により大きく変動するため個別見積もりが必要)
旅の手配
行くと決めたら、現地での動き方に合わせて早めに済ませておきたい手配をまとめました。
航空券
ペトラへの玄関口「アンマン(AMM)」までの航空券を、出発地別に検索できます。
※日付は検索先で選べます。運賃は日々変動します(エクスペディア)。
通信・eSIM
現地用のeSIMはアプリだけで完結し、到着後すぐ使えます。出発前に準備しておくのがおすすめです。
トリファ(trifa)で見る※対応機種・料金プランは変わる場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
海外旅行保険(エポスカード)
年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するクレジットカード。医療費が高額になりやすい国もあるため、短期の旅行でも補償の確認をおすすめします。
エポスカードで見る※補償内容・付帯条件は改定される場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- ヨルダン・ディナール(JOD)
- 為替目安
- 1JOD ≈ 228円
- 物価水準
- 普通〜やや高め
1JOD≈228円(2026年7月目安。JODはUSDに事実上ペッグされており1USD≈0.709JOD)。ペトラ入場料50JOD(約11,400円)は高め。食事・交通はアジア圏より割高
宿泊費の目安
- 予算宿
- 約2,300〜3,500円/泊
- 中級ホテル
- 約7,500〜15,000円/泊
ワディムサ周辺は予算宿から中級ホテルまで揃う。格安は$16〜24、中級は$52〜140が目安(2025〜2026年相場)
ライドシェア
× 利用不可ペトラ/ワディムサエリアではUber・Careemは利用不可。遺跡周辺にタクシーは多いが交渉制で割高になりがち。ホテル手配の送迎またはプライベートドライバーが安定して安心
インフラ
観光地インフラは整備済み。Wi-Fiは不安定でeSIM推奨。遺跡内は日差しが強く水・帽子必携
言語の通用度
観光地・ホテル・レストランでは英語がよく通じる。遺跡内のガイドも英語対応が充実
日本語はほぼ通じない。英語または基本的なアラビア語フレーズが頼り
向いている旅行者レベル
中級者向け
年間訪問者数
約58万人(2025年実績・前年比27%増。外国人訪問者は45%増の約37万人。ピーク時は110万人超で2025年時点は回復途上)
混雑状況
- 平日
- 比較的空いている。エルカズネは開場直後(朝6〜8時台)が最も空く
- 休日
- 金・土曜は地元民や近隣国からの訪問者で混雑しやすい
- ピーク時期
- 3〜4月・10〜11月が観光ピーク。7〜8月は酷暑のため比較的閑散
更新ログ
- 2026-07-12治安レベルを国全体の値からスポット所在地域の値へ補正。旅の難易度・費用感・アクセスなどの指標を追加
- 2026-07-12外務省の危険情報レベルを反映
- 2026-07-09初版公開