ハバナ旧市街
Old Havana and its Fortification System
カリブ海に浮かぶ「生きた博物館」。16世紀スペイン植民地時代の要塞と広場が今も息づく旧市街は、クラシックカーが行き交う石畳の路地と色鮮やかな建物で世界中の旅人を魅了する。1982年にユネスコ世界遺産に登録され、バロック建築の大聖堂・要塞群が当時の姿をほぼそのまま伝えている。独特の通貨制度や停電事情など渡航ハードルは高いが、だからこそ得られる体験の密度は格別だ。
ひと目でわかる、このスポットの性格
カリブ海随一の生きた遺産都市として唯一無二の体験ができるが、VISAカード停止・停電・物資不足と渡航準備の負担が大きい。中〜上級者向けで、現金準備とスペイン語基礎がある人には一生の記憶になる旅先。
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル1:十分注意してください
出典: 外務省海外安全ホームページ / 取得日: 2026-07-24(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
ハバナ旧市街(ハバナ・ビエハ市)はレベル1(十分注意)。日中も含めスリ・強盗致傷事件が発生。2026年6月にVISA・Mastercardの国内取扱が停止され現金以外の決済が著しく困難。停電・物資不足も継続中。/参考: 外務省の国全体最新レベル情報=外務省: 危険情報発出中(地域により異なる。最高レベルを代表値として採用。詳細は出典参照)(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2026T068.html)/外務省発表日: 2026-06-24(確認日: 2026-07-24)
7日間の旅の組み立て
ハバナ旧市街だけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
ハバナ
旧市街を含むキューバ最大都市で国際空港のある唯一の玄関口。国内長距離バスのハブでもあり、キューバ各地への起点として最低2〜3泊の滞在を推奨。
モデルプラン(7日間)
1〜2日目: ハバナ旧市街散策(カテドラル広場・武器広場・ボデギータ・マレコン・クラシックカー体験)。3日目: ハバナ湾対岸の要塞群(エル・モロ・カバーニャ)+革命広場・国会議事堂外観。4〜5日目: ビアスールバスでトリニダー移動・宿泊(世界遺産の植民地都市・コルデリェーラ渓谷も訪問)。6日目: シエンフエゴスまたはバラデロ方面のカリブ海リゾートでビーチ休養。7日目: ハバナ戻り・市内ショッピング(ラン・ロン・アルマス市場)・出発。
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 11月・12月・1月・2月・3月・4月(11〜4月の乾季がベスト。気温25〜29℃で降水量が少なく快適に散策できる。5〜10月はハリケーンシーズンで豪雨・強風が多い。12〜2月はピーク期で宿泊は早期予約が必須。)
持ち物チェックリスト
十分な現金(USDまたはEUR)
2026年6月よりキューバ国内でVISA・Mastercardの使用が停止。旅行中の全費用分を現金で準備する必要がある。両替はCADECA(公認両替所)かホテルで行い闇両替は詐欺リスクがある。
日焼け止め・帽子・虫除けスプレー
熱帯性気候で紫外線が強く、乾季でも屋外観光時の日焼け対策が必須。マレコン沿いなど屋外滞在が長くなるため熱中症対策も重要。
常備薬・衛生用品(十分な量)
キューバでは物資不足が慢性化しており市販薬・衛生用品が入手困難なことがある。処方薬はもちろん、解熱剤・胃腸薬・絆創膏なども日本から持参することを強く推奨。
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
09:00〜10:30
プラサ・デ・ラ・カテドラル&ハバナ大聖堂
旧市街の中心・カテドラル広場でバロック様式のハバナ大聖堂を見学。18世紀建設の左右非対称の塔が印象的。周囲の植民地建築に入る画廊・アート市場も必見。早朝は人が少なく写真撮影に最適。
- 2
10:30〜12:00
プラサ・デ・アルマス(武器広場)&古本市
旧市街最古の広場。カスティーリョ・デ・ラ・フエルサ(最古の要塞)が囲む。広場中央では毎日古本・切手市が立ち、革命ポスターや旧ソ連グッズが並ぶ。プラサ・ビエハ(旧広場)にも足を延ばして植民地時代の建築群を鑑賞。
- 3
12:00〜14:00
ラ・ボデギータ・デル・メディオでランチ&モヒート
ヘミングウェイが愛したとされる伝説のバー兼レストラン。モヒートの発祥地として有名で、壁一面の落書きが名物。ローカルフード「モロス・イ・クリスティアノス(黒豆ご飯)」と「ロパ・ビエハ(牛肉の細切り煮込み)」を堪能。
- 4
14:00〜16:00
クラシックカーでハバナ市内ドライブ
1950年代のアメリカ製オープンカー(アルメンドロン)で旧市街からマレコン沿いを走る。革命広場や国会議事堂を外観見学し、ヘミングウェイの定宿「アンボス・ムンドス・ホテル」前も通過。料金は乗車前に交渉(40〜60USD/1時間程度)。
- 5
16:00〜18:00
マレコン(海岸通り)でサンセット鑑賞
ハバナ湾に沿って8km続く海岸遊歩道。夕方になると釣り人・ミュージシャン・恋人たちが集まるハバナ最大の社交場。旧市街からは徒歩10分。波しぶきとともに沈む夕日はキューバ屈指の絶景。
日本からのアクセス
日本から現地まで
日本からの直行便はなし。メキシコシティ経由(アエロメヒコ等、東京→メキシコシティ約13時間+メキシコシティ→ハバナ約3時間)またはトロント経由(エア・カナダ等、約13時間+約4時間)が主なルート。乗継を含む総移動時間は約20〜26時間。
現地での行き方
ホセ・マルティ国際空港(HAV)から旧市街まで約15km。公式タクシー(黄色車体・国営)で約30〜40分・600〜800CUP(25〜35USD相当)。ローカルバスP12番は1CUPで安価だが約1時間かかり英語表記なし。
入場料の目安
0 CUP(目安 約0円) / 事前予約不要
旧市街地区の散策は無料。個別スポットは別途: カテドラル・デ・ラ・アバナ約2USD(300円相当)、エル・モロ要塞約6USD(900円相当)、各博物館2〜10USD(300〜1,500円相当)。
最終確認日: 2026-07-24
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
ローカルバス(グアグア)
P12番が空港〜市内を結ぶ。市内はP1・P2等が主要ルートを運行。停留所で待ち小銭を準備して乗車。英語表記はない。
運賃目安: 1〜2CUP(約1円未満・非常に安価)
地元住民の主要交通手段。混雑・遅延が常態化しており英語表記なし。スペイン語と行き先の事前把握が必要で、観光客が単独利用するのは難易度が高い。
コレクティーボ(乗合タクシー)
旧型アメリカ車(アルメンドロン)が定路線を走る乗合タクシー。停留所または路肩で手を挙げて乗り込む。行き先を告げて確認してから乗車。
運賃目安: 25〜50CUP(1〜2USD相当)
安価で実用的。ただし乗り場・ルートが固定でスペイン語必須。観光スポット間の移動よりも生活エリアの移動に向く。
タクシー
空港出口ロータリーの公式タクシー乗り場(黄色・国営CUBATAXI)を利用。旧市街内はホテルフロントに呼んでもらうか、CUBATAXI(+53 7-855-5555)に電話。旧型アメリカ車の個人タクシーは事前に料金交渉を必ずすること。
運賃目安: 空港→旧市街: 600〜800CUP(25〜35USD相当・約3,750〜5,250円)。市内短距離: 50〜200CUP(2〜8USD相当)。※乗車前の料金確認・合意必須
Uber等の配車アプリはキューバで使用不可。メーターが機能しないことが多く料金は交渉制。外国人には割高な請求をされやすいため相場の把握と乗車前の価格合意が必須。
現地での注意事項
クレジットカードが使用不可(2026年〜)
2026年6月にキューバ公的機関がVISA・Mastercardの国内取扱停止を発表。現金(USD・EUR)が事実上唯一の決済手段となっている。渡航前に旅行中の全費用分を現金で準備し、両替はホテルCADECAまたは空港で行うこと。闇両替は詐欺リスクが高い。
スリ・ぼったくり・誘導詐欺に注意
旧市街では観光客をターゲットにした価格水増し・友好的な近づき方でレストランや民芸品店へ誘導する「ヒネテーロ」が多く存在する。クラシックカーの料金は必ず乗車前に金額合意。見知らぬ人からの無料プレゼントは後で高額請求されるケースがある。
頻発する停電・物資不足
2024〜2026年にかけてキューバ全土でエネルギー危機が深刻化し、数時間〜十数時間に及ぶ停電が頻発。水不足・食料品不足も起きやすい。宿選びは自家発電設備の有無を確認し、ペットボトル水を多めに持ち歩くこと。
夜間の単独行動は避ける
旧市街・セントロ・ハバナでは夜間の強盗・傷害事件が発生している(外務省レベル1継続中)。薄暗い路地での単独歩行は避け、貴重品はバッグに集中させず分散携行する。移動はホテル手配のタクシーを活用するのが安全。
周辺スポット
エル・モロ要塞(カスティーリョ・デ・ロス・トレス・レジェス・デル・モロ)
約2.5km(ハバナ湾対岸)
1589年着工のスペイン植民地時代の要塞。ハバナ湾の入口を守り現在は灯台と博物館を兼ねる。旧市街のスカイラインと旧市街・マレコンを一望できる絶景スポット。世界遺産「ハバナ旧市街と要塞群」の主要構成資産。
行き方: 旧市街からタクシーでトンネルを抜けて約15〜20分。または渡し船(ランチャ)で湾を渡る(所要5分)。
運賃目安: タクシー: 150〜300CUP(10〜20USD相当)。渡し船: 1CUP。入場料: 約6USD(900円相当)。
トリニダー(Trinidad)
約320km(バス約5〜6時間)
18〜19世紀の砂糖産業で栄えた植民地建築の街。色鮮やかな外壁と石畳が保存良好で「本当のキューバらしさ」が味わえる。1988年にユネスコ世界遺産登録。旧市街より観光客数が少なく落ち着いた雰囲気。
行き方: ハバナのビアスール(Viazul)バスターミナルから長距離バスで約5〜6時間。旅行会社またはホテルで予約可。
運賃目安: バス片道: 約25USD(3,750円相当)。
旅の手配
行くと決めたら、現地での動き方に合わせて早めに済ませておきたい手配をまとめました。
通信・eSIM
現地用のeSIMはアプリだけで完結し、到着後すぐ使えます。出発前に準備しておくのがおすすめです。
トリファ(trifa)で見る※対応機種・料金プランは変わる場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
海外旅行保険(エポスカード)
年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するクレジットカード。医療費が高額になりやすい国もあるため、短期の旅行でも補償の確認をおすすめします。
エポスカードで見る※補償内容・付帯条件は改定される場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- キューバ・ペソ(CUP)
- 為替目安
- 1CUP ≈ 0.3円
- 物価水準
- 現地物価は安価だが外国人向け価格は別立て。両替レートが複数存在し複雑
インフォーマル市場レートは1USD≈400〜525CUP(2026年4月時点)。1CUP≈0.3円(インフォーマルレート概算)。観光客向け施設は実質USD建て。2026年6月にVISA・Mastercard取扱停止のため現金(USD/EUR)必携。
宿泊費の目安
- 予算宿
- 2,000〜5,000円/泊(カサ・パルティクラル=認定民泊)
- 中級ホテル
- 8,000〜20,000円/泊(国営ブティックホテル・旧市街内ホテル)
カサ・パルティクラル(政府認定の民間民泊)は質が高くコスパ良好でローカルな体験も得られる。Airbnb経由で予約可能な場合も。すべて現金払いのみ。
ライドシェア
× 利用不可Uber・InDriverほか配車アプリはキューバ国内では使用不可。移動は国営タクシー(CUBATAXI)、個人タクシー(要交渉)、コレクティーボのいずれか。
インフラ
インフラ整備は発展途上。長時間停電・断水が頻発(2024〜2026年エネルギー危機継続中)。Wi-Fiは公園・ホテルのホットスポットのみで有料カード制。薬・衛生用品は現地調達困難なケースあり。
言語の通用度
主要観光地周辺やホテルスタッフは英語対応可能なケースもあるが、全体的に英語力は低い。路上での英語はほぼ通じないと考えておくこと。
日本語が通じる機会はほぼない。日本語対応の宿・現地ツアーは極めて限られる。スペイン語の基本フレーズか指差し会話帳の準備を強く推奨。
向いている旅行者レベル
中〜上級者向け(通貨制度・両替方法の事前調査、現金の十分な準備、スペイン語基礎フレーズが必須)
年間訪問者数
キューバ全体に年間約190万人(2025年・前年比14%減)。日本人訪問者は少数で具体的統計なし。近年の減少傾向が続いている。
混雑状況
- 平日
- 主要広場・博物館は適度な混雑。旧市街の路地は地元住民と観光客が入り交じり賑やか
- 休日
- 週末はローカルの音楽パフォーマンスやイベントが増えやや混雑。カテドラル広場周辺は特に人が多い
- ピーク時期
- 12〜3月の乾季ピーク期は宿泊費高騰・満室が多く早期予約必須。クリスマス〜年末年始が最も混雑
更新ログ
- 2026-07-24初版公開