アマルフィ海岸
Costiera Amalfitana
イタリア南部カンパニア州に広がる全長約50kmの断崖海岸線。急峻な崖にカラフルな家々が連なるポジターノ、かつて地中海貿易で栄えたアマルフィ、山上から絶景を望むラヴェッロなど約15の町が1997年にユネスコ世界文化遺産に登録された。SITAバスやフェリーを乗り継いで各町を渡り歩く旅が醍醐味であり、チンクエ・テッレと並ぶ南イタリア屈指の景勝地。
ひと目でわかる、このスポットの性格
地中海屈指の断崖海岸線と世界遺産の街並みを船とバスで巡る唯一無二の体験ができる。ベストシーズン(5〜6月・9〜10月)に訪れれば混雑を避けつつ南イタリアの絶景を堪能でき、感動の度合いはイタリア旅行の中でも特に高い。
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル1:十分注意してください
出典: 外務省海外安全ホームページ(イタリア安全情報) / 取得日: 2026-10-20(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
アマルフィ海岸が位置するカンパニア州について、外務省海外安全ホームページでは2026年2月時点で危険情報は発出されておらず、一般的な注意を促すレベル1相当の状況です。スリや置き引きなど観光地でよくある軽微な犯罪に注意が必要ですが、深刻な治安上の問題は報告されていません。渡航前には外務省海外安全ホームページ(anzen.mofa.go.jp)で最新の安全情報を必ずご確認ください。/参考: 外務省の国全体最新レベル情報=外務省: 危険情報の発出なし/外務省発表日: 2026-07-21(確認日: 2026-10-20)
7日間の旅の組み立て
アマルフィ海岸だけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
ナポリ(またはサレルノ)
ナポリはアマルフィ海岸への主要玄関口で宿泊費が比較的安く、ポンペイ・国立考古学博物館など周辺観光との組み合わせに便利。サレルノはよりリーズナブルで静かな拠点として旅行者にも人気があり、海岸線東端からのアクセスが良い。
モデルプラン(7日間)
1日目:ナポリ到着・スパッカナポリ旧市街と国立考古学博物館を観光。2日目:ポンペイ遺跡を日帰り観光。3日目:ナポリからフェリーまたはバスでポジターノへ移動・滞在。4日目:SITAバスでアマルフィ観光後、バスでラヴェッロへ。5日目:サレルノに移動しチェターラ・ヴィエトリ・スル・マーレを散策。6日目:ソレントへ移動し、カプリ島を日帰り観光(青の洞窟)。7日目:ナポリ空港から出発。
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 5月・6月・9月・10月(5〜6月は気温が25℃前後で降水量も少なく、夏の混雑前に快適に観光できるベストシーズン。9〜10月は海水浴シーズン後の穏やかな時期で観光客が落ち着き、地元の雰囲気を楽しみやすい。7〜8月はピーク期でバスの混雑と宿泊費高騰に要注意。11〜3月は降水量が多く一部施設が休業するが、閑散期ならではの静かな海岸線を楽しめる。)
持ち物チェックリスト
グリップ力のある歩きやすい靴
各町は急傾斜の石畳の坂道が多く、サンダルやヒールの高い靴は滑りやすく危険。スニーカーまたはトレッキングシューズが最適。
日焼け止め・サングラス・帽子
地中海の強い日差しと海面からの照り返しで紫外線が非常に強い。特に6〜9月の夏期はUVケアが欠かせない。
ユーロ現金・小銭
SITAバスのチケットはバス車内では購入不可のため、事前に現金でタバッキなどで購入する必要がある。小規模店舗やビーチ売店ではカード非対応の場合もある。
軽量レインウェアまたは折りたたみ傘
10〜3月は降水量が多く急な雨に備えが必要。断崖地形ゆえに天候が変わりやすいため、シーズン外は特に必携。
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
9:00
アマルフィ到着・ドゥオーモ広場と旧市街散策
ナポリまたはサレルノからバスやフェリーでアマルフィへ。サンタンドレア大聖堂のアラブ=ノルマン様式のファサードと大聖堂付属のクリプタを見学。旧市街の細い路地を歩き、地元名産のレモンチェッロや手漉き紙のみやげを探しながら散策。
- 2
12:00
フェリーまたはバスでポジターノへ
季節運航のフェリー(4〜10月)またはSITAバスでポジターノへ移動(約40分〜1時間)。カラフルな家々が崖に積み重なる絵葉書のような風景を楽しみ、スポンダ教会周辺の路地やマリーナ・グランデのビーチで地中海の海を満喫。シーフードランチがおすすめ。
- 3
15:30
バスでラヴェッロへ。庭園と絶景を堪能
アマルフィからSITAバスで約30分、標高約350mの高台の村ラヴェッロへ。ヴィッラ・ルーフォロやヴィッラ・チンブローネの庭園から海岸線を一望する絶景は必見。夕暮れ時の光の変化は特に美しく、写真撮影にも最適な時間帯。
- 4
19:00
アマルフィまたはサレルノに戻り夕食
バスでアマルフィに下り、地元レストランで魚介のパスタや新鮮シーフードのディナーを楽しむ。サレルノやナポリに宿泊する場合は最終バスの時刻を必ず事前に確認しておくこと(夏季でも20〜21時台が目安)。
日本からのアクセス
日本から現地まで
日本からの直行便はなく、ローマ(フィウミチーノ)・フランクフルト・パリなどヨーロッパ主要都市で1回乗り継いでナポリ・カポディキーノ国際空港へ入るのが基本ルート。羽田・成田からローマ経由でナポリまでの総移動時間は乗継待ちを含めておよそ18〜22時間が目安。
現地での行き方
ナポリ中央駅から私鉄チルクムヴェズヴィアーナでソレントへ約1時間(€4〜5目安)、ソレントからSITAバスでアマルフィまで約1時間40分(€2.60)。またはナポリ中央駅からサレルノへ在来線で約40分(€5〜7目安)、サレルノからSITAバスでアマルフィまで約1時間(€3目安)。4月〜10月はフェリーも運航し、サレルノからアマルフィまで約35〜60分(€10〜15目安)。SITAバスのチケットはバス車内では購入できないため、乗車前に沿線のタバッキ・バール・新聞スタンド(SITA/EAV表示店)で事前購入が必要。
入場料の目安
0 EUR(目安 約0円) / 事前予約不要
アマルフィ海岸の沿岸エリア自体は入場無料。アマルフィ大聖堂の付属礼拝堂(クリプタ)は€3(約500円)、ラヴェッロのヴィッラ・ルーフォロは€7(約1,200円)、ヴィッラ・チンブローネは€8(約1,350円)など、個々の観光スポットに入場料が設定されている。料金は改定される場合があるため、訪問前に各施設の公式サイトでご確認ください。
最終確認日: 2026-10-20
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
SITAバス
ソレント〜アマルフィ間およびアマルフィ〜サレルノ間を結ぶ海岸線バス路線。チケットはバス車内では購入できないため、乗車前に沿線のタバッキ(タバコ屋)、バール、新聞スタンド(SITAまたはEAVの表示がある店舗)で購入する。乗車時はバス車内のバリデーター(刻印機)で必ず刻印すること。
運賃目安: AC1片道€1.80(隣接2町間)、AC2片道€2.60(例:ポジターノ〜アマルフィ)。24時間フリーパス(COSTIERASITA)€10.00、船路込み24時間パス€15.00
2026年10月以降に運賃が改定されている場合があるため、最新情報はSITA/EAVの公式サイトや現地窓口でご確認ください。
フェリー(季節運航)
4月〜10月頃にサレルノ・ナポリ・ソレントから各港へ就航。乗船チケットは港の窓口またはTravelmar・NLG(ナポリ湾航路)などの公式サイトで購入できる。
運賃目安: サレルノ〜アマルフィ片道€10〜15目安、ナポリ〜アマルフィ片道€22〜28目安
シーズンや天候によって運航スケジュールが変わるため、事前に運航状況を公式サイトで確認すること。悪天候時は欠航になる場合がある。
タクシー
アマルフィではドゥオーモ広場前、ポジターノではムリーニ広場付近にタクシー乗り場がある。流しのタクシーは少ないため、乗り場で待つか宿泊ホテルのフロントに依頼して呼んでもらうのが確実。
運賃目安: ナポリからアマルフィへのプライベート送迎・タクシーは片道€150〜210目安(約25,000〜35,000円)。アマルフィ〜ポジターノ間のタクシーは€40〜60前後の目安。
メーター制でない場合があるため、乗車前に必ず料金を確認・合意してから乗ること。他町籍の車両を利用する場合は帰路分の費用も請求されることがある。アマルフィ海岸沿いの小さな町ではアプリ対応が限られるため、ナポリ以外ではアプリより直接交渉が現実的。
現地での注意事項
SITAバスの混雑と乗れないリスク
7〜8月のSITAバスは観光客で満員になり、バス停で数台見送ることも珍しくない。早朝出発か、混雑を避けてフェリーや船を組み合わせたコンボチケットの利用を検討すること。チケットはバス乗車前に必ずタバッキ等で購入のこと。
急傾斜の狭い道路と交通事故リスク
海岸沿いの国道SS163は幅が狭く大型バスとの離合が頻繁で、レンタカー運転には相応の経験が必要。徒歩では道路端のガードレール外側に出ないよう注意し、バス走行中は壁側に退避する習慣をつけること。
スリ・置き引きへの注意
フェリーや満員のバス車内、ドゥオーモ広場周辺などでスリ被害の報告がある。バッグは体の前に持ち、財布や携帯電話の管理を徹底すること。レストランのテーブルにスマートフォンや財布を置きっぱなしにしない。
悪天候時の交通機関運休
急峻な断崖地形ゆえ、秋〜冬の大雨時には崖崩れや落石のリスクがある。悪天候時はSITAバスの運休やフェリーの欠航が生じることもあるため、日程には余裕を持たせ、天気予報をこまめに確認すること。
周辺スポット
ポンペイ遺跡
アマルフィから約50km(ソレント経由)
西暦79年のヴェスヴィオ火山噴火で埋没した古代ローマ都市の遺跡。街並みや壁画がほぼそのままの形で発掘されており、ユネスコ世界遺産にも登録されている。アマルフィ海岸との組み合わせ日帰り観光として人気が高い。
行き方: アマルフィからSITAバスでソレントへ約1時間40分(€2.60)、ソレントから私鉄チルクムヴェズヴィアーナでポンペイ・スカーヴィ駅まで約30分(€3目安)。
運賃目安: 入場料€18(約3,000円)目安。混雑期はオンライン事前予約が推奨。
カプリ島
ソレント港から高速船で約20〜25分
ティレニア海に浮かぶ高級リゾートアイランド。コバルトブルーの「青の洞窟」が世界的に有名で、アナカプリの眺望や高級ブティックも人気。アマルフィ海岸旅行との組み合わせ周遊ルートとして定番。
行き方: ソレントからカプリ島へ高速船(アリスカフィ)で約20〜25分。アマルフィからは一旦ソレントへSITAバスで戻り乗り継ぐか、夏季は直行フェリーも運航。
運賃目安: ソレント〜カプリ高速船片道€20〜25(約3,300〜4,200円)目安。青の洞窟入場料は€18前後(天候・混雑により入場制限あり)。
ラヴェッロ
アマルフィから約7km(バスで約30分)
標高約350mの高台に位置する静かな村で、ヴィッラ・ルーフォロとヴィッラ・チンブローネの庭園が有名。毎夏「ラヴェッロ音楽祭」が開かれ、ワーグナーやグレタ・ガルボが魅了された景観が今も続く。
行き方: アマルフィのバス停からSITAバスで約30分。
運賃目安: ヴィッラ・ルーフォロ入場料€7(約1,200円)、ヴィッラ・チンブローネ入場料€8(約1,350円)目安。
旅の手配
行くと決めたら、現地での動き方に合わせて早めに済ませておきたい手配をまとめました。
通信・eSIM
現地用のeSIMはアプリだけで完結し、到着後すぐ使えます。出発前に準備しておくのがおすすめです。
トリファ(trifa)で見る※対応機種・料金プランは変わる場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
海外旅行保険(エポスカード)
年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するクレジットカード。医療費が高額になりやすい国もあるため、短期の旅行でも補償の確認をおすすめします。
エポスカードで見る※補償内容・付帯条件は改定される場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- ユーロ(EUR)
- 為替目安
- 1EUR ≈ 165円
- 物価水準
- 高め
アマルフィ海岸は南イタリアの中でも特に物価が高い観光エリア。飲食・宿泊費はナポリの1.5〜2倍程度を見込むこと。為替レートは変動するため、出発前に最新レートをご確認ください。
宿泊費の目安
- 予算宿
- 7,000〜14,000円/泊
- 中級ホテル
- 17,000〜34,000円/泊
アマルフィやポジターノはハイシーズン(6〜8月)に宿泊費が高騰する。サレルノやナポリを拠点に日帰りで訪れることでコストを大幅に抑えられる。海岸線内での宿泊を希望する場合は早めの予約が必須。
ライドシェア
○ 利用可ナポリ市内では配車アプリが利用しやすいが、アマルフィ海岸沿いの小さな町ではアプリ対応が限られる。現地ではタクシー乗り場か宿泊先ホテルのフロントに依頼するのが確実。Uberはナポリで一応使えるが料金が不明確なため一般的には推奨されていない。
インフラ
観光インフラは整備されており、SITAバスとフェリーの公共交通網で主要な町を結んでいる。ただし夏季のバスは混雑が激しく、海岸幹線道路(SS163)は幅員が非常に狭い。Wi-Fiは宿泊施設やカフェで概ね利用可能。
言語の通用度
主要観光スポット・ホテル・フェリー乗り場では英語が通じることが多い。地元の小さなバールや商店では英語が限られる場合もある。
日本語対応はほぼ期待できない。基本的なイタリア語フレーズ(グラッツィエ・スクージなど)を事前に覚えておくと現地コミュニケーションがよりスムーズになる。
向いている旅行者レベル
ナポリからの乗り継ぎやSITAバスチケットの事前購入など下調べが必要な場面があるため、海外旅行初心者にはやや準備が必要。ヨーロッパ旅行の経験者や事前に情報収集をしっかりした初心者であれば十分楽しめる。
年間訪問者数
アマルフィ海岸エリア全体で年間約300〜400万人(推定)
混雑状況
- 平日
- 7〜8月の平日でもバスや港は混雑するが、週末よりは比較的ましなことが多い
- 休日
- 7〜8月の土日祝はSITAバスが満員になることが多く、フェリーも混雑する
- ピーク時期
- 7月中旬〜8月末がピークで宿泊費も最高値。9月以降は急速に落ち着く。
更新ログ
- 2026-10-20初版公開