
シパダン島
Sipadan Island
ボルネオ島東岸沖に浮かぶシパダン島は、世界屈指のダイビングスポット。バラクーダの竜巻(トルネード)、ウミガメの群れ、垂直に落ちる600m超の断崖が共存する水中世界はジャック・クストーも絶賛した。1日252名のパーミット制度が手つかずの自然を守り、予約は半年前からダイブオペレーター経由が必須。日本語ガイドはほぼ存在せず、英語での手配力が問われる玄人向けの究極の海。
ひと目でわかる、このスポットの性格
世界最高峰のダイビング体験を求める上級ダイバーには唯一無二の目的地。ただし外務省渡航中止勧告(レベル3)が継続中のため、渡航前に必ず最新の安全情報を確認し、リスクを十分に理解した上で判断することが不可欠。
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル3:渡航はやめてください(渡航中止勧告)
出典: 外務省 海外安全ホームページ / 取得日: 2026-09-08(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
外務省はサバ州東側の島嶼(バンジ島・バラムバンガン島を除く)に危険情報レベル3(渡航中止勧告)を発出しており、シパダン島はこの対象地域に含まれます。2020年1月以降は身代金目的の誘拐事件は報告されていませんが、勧告は継続中です。渡航を検討される際は、出発前に外務省の海外安全ホームページで必ず最新情報をご確認ください。/参考: 外務省の国全体最新レベル情報=外務省: 危険情報発出中(地域により異なる。最高レベルを代表値として採用。詳細は出典参照)(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2026T065.html)/外務省発表日: 2026-06-15(確認日: 2026-09-08)
7日間の旅の組み立て
シパダン島だけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
センポルナ(またはマブール島のリゾート)
センポルナがシパダンへの玄関口となる港町。予算重視ならセンポルナ泊+デイトリップも可能だが、快適さとパーミット確保の確実性ではマブール・カパライの島リゾート直接滞在が有利。最寄り空港はタワウ(TWU)でコタキナバル経由が一般的。
モデルプラン(7日間)
1日目: 日本発→コタキナバル(KK)着・KK泊 / 2日目: KK→タワウ(国内線約50分)→センポルナへシェアバン移動→ジェティから拠点リゾート(マブール等)へボート移動・到着 / 3〜5日目: シパダン島デイトリップ(1日3ダイブ・パーミット代行取得)、マブール・カパライでのマクロダイブも堪能 / 6日目: 拠点リゾート発→センポルナ→タワウ→コタキナバル泊 / 7日目: KK発→日本着
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 4月・5月・6月・7月・8月・9月・10月・11月(4〜11月が比較的穏やかで透明度が良好。特に7〜9月は海況が落ち着き透明度15〜30mに達することも。12〜3月はスコールや時化が増えるため、初心者には4〜10月が安心。)
持ち物チェックリスト
AOW(アドバンスド・オープンウォーター)以上のCカード
シパダン島での潜水にはAOW相当以上の資格証明が必須。原本またはデジタルコピーを必ず持参すること。
現金(MYR・USD)まとまった額
センポルナ・マブール島周辺にはATMがほとんどなく、クレジットカード不可のリゾートも多い。タワウまたはコタキナバルで事前換金を済ませておくことが不可欠。
ラッシュガードまたはウェットスーツ(3mm)
水温は27〜29℃と暖かいが、1日複数ダイブで体が冷えやすい。紫外線対策にもなる。
リーフセーフ日焼け止め
通常の日焼け止めはサンゴ礁に有害な成分を含む場合がある。マリンパーク規定への配慮としてリーフセーフ認証製品を選ぶこと。
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
06:00
拠点リゾートからシパダンへ出発
マブール島などの拠点リゾートから高速ボートでシパダン島へ(所要20〜30分)。パーミットカードを受け取り、ブリーフィングを経て準備完了。
- 2
07:00〜09:00
第1ダイブ:バラクーダ・ポイント
シパダン屈指の人気スポット。数百匹のバラクーダが渦を巻く「トルネード」と、シロヘリマダラウミヘビの群れが圧巻。海流が強い場合はドリフトダイブになることも。
- 3
09:30〜11:30
第2ダイブ:ドロップオフ(断崖絶壁)
島を取り囲む垂直の壁沿いを漂うウォールダイブ。水深600m超のドロップオフにはマンタやジンベエザメが姿を見せることもある。
- 4
12:00〜14:00
第3ダイブ:タートル・パッチ
ウミガメが悠然と泳ぐ浅瀬エリア。2025年の規則改正によりパーミット1枚で1日3ダイブが許可されるようになった(旧2ダイブから増枠)。
- 5
14:30
拠点リゾートへ帰還・マブールでのフリータイム
ボートで拠点リゾートへ戻り器材をリンス。夕方はマブール島でのマクロダイブや夕日鑑賞を楽しんで1日を締めくくる。
日本からのアクセス
日本から現地まで
成田・関空などから直行または経由便でコタキナバル(KK/BKI)へ約7〜9時間。KKからタワウ(TWU)へマレーシア航空・エアアジア等の国内線で約50分。タワウ空港からセンポルナまでシェアバン(ミニバス)またはタクシーで約1〜1.5時間。センポルナのジェティ(桟橋)から拠点リゾート(マブール島など)まで高速ボートで30〜60分。日本出発から拠点島到着まで合計20〜24時間が目安となる。
現地での行き方
シパダン島内に宿泊施設はなく、マブール島・カパライ島・マタキン島のリゾートから1日ツアーで渡る形が唯一の方法。ダイビングパーミット(外国人合計450 MYR/日)はリゾートまたはダイブオペレーターが代行申請する。センポルナ市街からジェティへはトライシクル(輪タク)またはタクシーでMYR 5〜10程度。
入場料の目安
450 MYR(目安 約15,000円) / 事前予約必須
外国人ダイバーはダイビングパーミット350 MYR+保全入島料100 MYR=合計450 MYR(約15,000円)/1日が必要です。個人での取得はできず、公認ダイブオペレーターまたはリゾートが代行申請します。1日の入島定員は252名で、ピークシーズンは半年前に予約が埋まるリゾートも。料金は改定される場合があるため、予約前にオペレーターまたはサバ州立公園公式サイトでご確認ください。
最終確認日: 2026-09-08
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
路線バス・ミニバス(タワウ〜センポルナ)
タワウ市内または空港近くのバスターミナルからセンポルナ行きの路線バスまたはシェアミニバスが運行。チケットは乗り場で購入またはドライバーへ直接支払う。
運賃目安: MYR 10〜15(約330〜500円)
所要約1〜1.5時間。スケジュールが不規則なため時間に余裕をもって乗り場へ向かうこと。
高速ボート(センポルナ〜マブール島など)
センポルナのジェティから各リゾートの送迎ボートまたは公営フェリーが出発。リゾート予約者はリゾート手配のボートを利用するのが一般的。
運賃目安: MYR 80〜100(約2,600〜3,300円)片道・公営フェリーの場合
宿泊ダイブパッケージ利用者はボート代が料金に含まれていることが多い。
タクシー
タワウ空港ではタクシー乗り場で流しタクシーを捕まえるか、Grabアプリで呼ぶ。センポルナ市街ではトライシクル(輪タク)も短距離移動に利用可能。
運賃目安: タワウ空港〜センポルナ: MYR 95〜180(約3,100〜5,900円)目安
GrabはタワウではGrab普及しているが、センポルナでは対応ドライバーが少なく捕まらないことがある。ダイブオペレーターや宿泊先への事前送迎手配が確実。
現地での注意事項
外務省 危険情報レベル3(渡航中止勧告)が継続中
外務省はシパダン島を含むサバ州東側の島嶼全体に渡航中止勧告(レベル3)を発出しています。過去にフィリピン系武装勢力による誘拐事件が発生した地域であり、渡航の際は外務省・在コタキナバル領事館の最新情報の確認、海外旅行保険への加入、現地ダイブオペレーターのセキュリティ体制の確認を徹底してください。
パーミットは必ず事前予約(当日取得は不可)
1日252枚の入島許可証は公認オペレーターを通じた事前予約のみで取得可能です。個人での当日申請制度はありません。ピークシーズン(5〜9月)は半年以上前から予約が埋まるリゾートも多く、パーミット保証付きのダイブパッケージを早期に確保することが必須です。
現金不足トラブルに注意
マブール島・カパライ島のリゾート周辺にはATMが存在せず、センポルナのATMも台数が少ない。タワウ市内またはコタキナバルでMYRを十分引き出してから移動することを強くおすすめします。USD現金も補助として役立ちます。
突発的な強い海流・ダイビングリスク
シパダンでは予告なく強い海流が発生します。常にダイブマスターの指示に従い、バディシステムを厳守することが重要です。AOW資格保有者でも現地コンディションに不慣れな場合は無理な潜水を控える判断力が求められます。
周辺スポット
マブール島(Pulau Mabul)
シパダンから約15km・ボートで20〜30分
シパダン訪問の最も一般的な拠点島。マクロダイブの聖地として知られ、リーフフィッシュ・タコ・タツノオトシゴ・カエルアンコウなど小生物が豊富。水上コテージのリゾートが点在し、シパダンに行けなかった日もマブール周辺のダイビングが十分楽しめる。
行き方: センポルナのジェティから公営フェリーまたはリゾート送迎ボートで約30〜45分。
運賃目安: MYR 80〜100(約2,600〜3,300円)片道・公営フェリー
カパライ(Kapalai)
シパダンから約15km・ボートで30〜45分
砂州の上に建てられた水上コテージのみが存在するユニークな目的地。シャローリーフが多くマクロ撮影に最適で、静寂な滞在環境が魅力。シパダンへのデイトリップも可能。
行き方: センポルナのジェティからリゾートの送迎ボートで約45〜60分。
運賃目安: 宿泊パッケージに含まれることが多い
旅の手配
現在、この地域への渡航はおすすめできません
シパダン島が所在する地域には、日本国外務省からレベル3:渡航はやめてください(渡航中止勧告)が発出されています。そのため本ページでは、航空券・宿泊・現地ツアーなどの手配リンクを掲載していません。
渡航の可否は状況によって変わります。最新の情報は外務省 海外安全ホームページで必ずご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- マレーシアリンギット(MYR)
- 為替目安
- 1MYR ≈ 33円
- 物価水準
- 中〜高(島リゾート・ダイブパッケージは高額)
センポルナ市街の食事・日用品はリーズナブルだが、シパダン周辺の島リゾートはダイブパッケージが高め。パーミット費用(外国人450 MYR/日)が別途かかる点も考慮が必要。
宿泊費の目安
- 予算宿
- 5,000〜10,000円/泊(センポルナ市街のゲストハウス・ホテル)
- 中級ホテル
- 20,000〜50,000円/泊(マブール・カパライの島リゾート、食事・ボート・ダイビング込みパッケージ)
シパダン島内に宿泊施設はないため、いずれかの拠点リゾートに滞在することが前提となる。パッケージ料金には食事・ボート代が含まれることが多い。
ライドシェア
○ 利用可GrabはタワウではGrab市内で利用可能だが、センポルナおよび島エリアでは対応ドライバーが少ない。事前にダイブオペレーターへ送迎手配を依頼するのが確実。
インフラ
センポルナはサバ州の小さな港町でインフラは必要最低限。島リゾートはWi-Fiと電力は概ね整備されているが停電リスクもある。最寄り空港はタワウ(TWU)で、コタキナバル(BKI)経由でのアクセスが一般的。
言語の通用度
ダイブオペレーターや島リゾートスタッフは英語対応可能。センポルナ市街では基本的な英語が通じる程度。
日本語対応スタッフはほぼ存在しない。一部の日本人向けツアーオペレーターを除き、英語での手配・対話が基本となる。
向いている旅行者レベル
上級者向け(スキューバダイビングAOW資格保有者、東南アジアでの独自手配経験者、外務省危険情報を理解した上で渡航判断できる方)
年間訪問者数
推定3〜5万人程度(パーミット制による入島者数制限あり)
混雑状況
- 平日
- パーミット制で入島者数が管理されているため、ダイブサイト上は比較的秩序ある環境。
- 休日
- 週末による混雑の差異は少ない。ダイビングボート上での待機が生じることはある。
- ピーク時期
- 5〜9月のピークシーズンは半年以上前にパーミット付きパッケージが完売することがある。早期予約が不可欠。
更新ログ
- 2026-09-08初版公開